あなたは体調不良を理由に退職することを「甘えだ」と言われて、心の中で反論したくなった経験はありませんか?
そして、以下のようなことで困っていませんか?
- 体調不良が原因で仕事のパフォーマンスが落ちてしまうこと
- 自分の健康を犠牲にしてまで仕事を続けることの是非
- 体調不良による今後のキャリアへの影響が気になる
私も以前、体調不良が原因で退職を考えたことがあります。
そして、実際に転職しています。
どのようにして新たなスタートを切ったのか?
実体験を元にお話ししていきますので、ぜひ最後までお読みください。
体調不良が原因の退職は甘えではない③つの根拠
未だに体調不良を理由とした退職が甘えだと思い込んでいる人がいます。
しかし、それは根性論に基づいた考え方であり、具体的根拠ではありません。
以下、体調不良が理由の退職が甘えじゃない根拠を2つ挙げます。
根拠➀:会社に退職を引き留める権限はない
体調不良の従業員が退職の申し出をした場合、それを引きとめる行為は、働くことを望まない人に対して「在職強要」にあたる可能性があるため引き留める事ができません。
また、在職強要とは、労働基準法第5条の以下内容に該当します。
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない
出展:厚生労働省
また、これに違反して在職を強要したことが発覚して違法性が認められた場合は、罰則は労働基準法第117条でにて取り決められています。
「1年以上10年以下の懲役」または「20万円以上300万円以下の罰金」のペナルティが課せられることに。
根拠②:体調不良による退職は民法で定められている
体調不良による退職は、民法627条により定められています。
そして、退職の申し出をすると2週間後には退職出来る事になっています。
また、628条では以下のようにも明示されています。
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
そして、体調不良は「やむを得ない事由」に当てはまります。
そのため、通院している医療機関から診断書を作成してもらい、会社に納得してもらう事ができれば退職する事ができます。
根拠③統計の数値が物語っている
エンジャパン株式会社が運営しているwebサービス人事のミカタでは、「エン転職」の会員610名に対してアンケート調査をした結果、退職理由の本音について「人間関係を理由が悪かった」が最も多く、全体の28%を占めていました。
また、体調不良についても全体の2.4%という数値で、人間関係や職場環境の問題から体調不良になってしまったとも考えられます。
退職理由の本音 | 割合 |
人間関係が悪かった | 28% |
給料が低かった | 12.9% |
社風や風土が合わなかった | 12.2% |
評価や人事制度に不満があった | 10.8% |
待遇(福利厚生)が悪かった | 6.8% |
残業や休日出勤など拘束時間が長かった | 6.8% |
業界や企業の将来性が不安だった | 5.9% |
体調を壊した | 2.4% |
結婚・家庭の事情 | 0.9% |
その他 | 4.7% |
そう考えると、体調不良による退職は甘えではなく、恥ずかしいことでもないと言えます!
私が退職を真剣に考えた体調不良③つの症状
➀体重の増減があった
ストレスによって食欲不振になったり、逆に食欲でストレス発散するようになって体重が増えてしまう、なんてことも実際あります。
私の場合は、ストレスで過食気味になってしまった結果、10キロほど増えて激太りしてしまいました。
②ショックのあまり吐いたとき
会社の人間関係が悪かったり、仕事で追い詰められたりすると、吐き気に襲われる事があります。
パワハラや人間関係の悪さを改善する気がない会社に、色々と不満をぶちまけて意見しまくったことが。
その結果ボーナスを20万円ほどカット。
ショックのあまり吐いてしまったほど・・・
会社がつらい!辞めたいけど悔しい!転職という選択肢が正解だった話
④鬱病と診断されたとき
鬱病は経験がありますが、色んな意欲が奪われますし、とにかくしんどいんです。
いつも疲れを感じながらの状態だったし、ひどいときは起き上がることがきついときも。
鬱病の原因が会社にあり、適応障害とも診断されていました・・・
体調不良を引き起こす職場の雰囲気
残念ながら一部の会社や上司は、嫌がらせのような形で不可能な目標を課すことが。
これは私たちの心身に大きなストレスをもたらし、健康を損ねる原因となります。
常に緊張感が漂う職場は、居心地が悪く、仕事に対するモチベーションを削ぎます。
そんな雰囲気をマネジメントと考える時代遅れの考えを持つ上司は、私たちの成長を阻害する存在でしかない。
日本人の仕事観はおかしい! 私が時代遅れな働き方に見切りをつけた④つの理由
体調不良で退職を考える前に私がやった事
➀医師から診断書を発行してもらう
私は、休職をするために心療内科から診断書を貰いました。
退職後に失業保険を受給する際に「特定理由離職者」の扱いになる可能性があるからです。
そうすると、自己都合退職で会社を辞めるよりも、短い期間で失業保険が貰える可能性が出てきます。
2023年時点では、自己都合退職の場合でも従来の会社都合退職のケースと同じように、待機期間が7日のみで失業保険が給付されるように検討が進んでいるようなので、詳しい内容はハローワークに確認されることをおすすめします。
②傷病手当金を貰い休職を取る
私は、休職を取り傷病手当金を貰いながら3か月間休みました。
傷病手当金とは、休みながら給与の6割が貰える制度なので、使えるんだったら使ったほうがお得です。
退職を決意する事は、その後の生活の事も考えなければならないので、エネルギーがいる事。
ですから、私は疲れた心を回復させることに専念しました。
実体験から言えることですが、しんどい時は休みましょう!
ちなみに、正社員ではなくても派遣社員の方でも休業補償を貰う事ができます。
休業補償には、先述しました傷病手当金と労災保険があり、以下ざっくりと解説します。
- 傷病手当金→業務外の事由による怪我や病気による保証制度で給与の6割
- 労災保険→業務上の怪我や病気による保証制度で給与の6割+給付基礎日額の20%が特別支給金
労災保険については、下記リンク先の「株式会社ファーストコンテック」のサイト内にある記事「派遣社員も休業補償の対象になる?補償対象となる条件・流れを解説」をお読みください。
傷病手当金と労災保険の併用はできません。
個人的な経験から言うと、鬱病などの精神的なダメージの場合は傷病手当金が申請しやすいように感じます。
(労災の申請の場合は、業務上を事由とするため、会社はパワハラがあったとしても認めるのを嫌がる傾向になるので認められない可能性が高いと感じます。)
その場合は、労働基準監督署に相談する方法もありますが、会社と揉める可能性なども含めて手間がかかります。
早く申請を通したいのであれば傷病手当金のほうが無難です。
労災のほうが支給額は大きいですが、そのぶん申請のハードルは上がるのであなたの状況に合わせて考えてみてください。
③休んでからその後について考える
心や身体が疲れている時に先の事を考えるのはおススメしません。
先の事を考えることは、とてもエネルギーを消費すること。
辛いときにさらに苦しくなることをしても逆効果です。
休む事も仕事のひとつと考えて、まずはゆっくりと休みましょう!
休職中にしなくてよい事
➀自分を責めること
休職を決断したからといって、それが弱さや失敗だと自分を責める必要はありません。
自己批判は精神的な回復を遅らせるだけでなく、自信の喪失にも繋がります。
自分自身の健康と幸せを優先する選択は、決して非難されるべきではない。
②将来を不安視すること
休職期間中は不安定な気持ちになりがちですが、将来に対して悲観的になることは避けましょう。
メンタルの不調が続くと、回復に時間がかかってしまいます。実体験からも断言できます(苦笑)
長い目で物事を見る力を持つことが、前向きな未来への第一歩です。
③職場や上司への恨みを抱かない
職場や上司に対する不満や恨みを抱えて休職することは、あるかもしれません。
しかし、恨みを持ち続けることは、心の傷を深め、癒しのプロセスを妨げます。
休職という時間は、心の平和を取り戻し、再び職場に戻るための新しいエネルギーを蓄えるためのもの。
不要な自己批判、将来の悲観、過去への恨みは、その新しいスタートを遅らせるだけです。
この休職期間を自己成長の機会として捉え、前向きな気持ちで再出発の日を迎えましょう。
体調不良で退職する前にやったこと
私は休職を経て「もうこんな会社にはいられない!」という思いから、いちど職場復帰をして転職活動をしました。
その結果、半年ほどかかりましたが、1部上場企業に転職成功しています。
詳しくは、下記リンク先の記事でお話しているので、ぜひお読みください!
職場いじめは訴えたもの勝ちじゃなかった!窮地を乗り越えた戦略とは?
その後、転職先の内定を経た後に退職の手続きを取りました。
体調不良が理由で退職する際の流れ
➀就業規則を確認して退職の申し出をする
就業規則とは、あなたが入社した会社で最初にもらうことができるルールブックのようなもの。
その就業規則には退職に関する内容も記載されています。
そして、退職の際に確認しておきたい内容が以下2つ。
- 退職を申し出るタイミング
- 退職金が支給されるための要件
法律上は退職願を提出してから2週間後には退職できることになっています。
しかし、実際は業務の引継ぎなども鑑みて1~2か月前に話し合う事も多いのではないでしょうか?
私は休職していましたので、引継ぎはありませんでした。(実際には勝手に後任が決められていた)
それでも、内定先の入社日に合わせて1か月前に退職の申し出をしています。
また、民法第628条では
やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。
とありますので、体調不良で欠勤が続いている状態だとしても気に病む事はありません!
また、勤務年数が長い方の場合は退職金が貰える可能性があるので、それについても念のために就業規則を読んで確認しておきましょう。
もし、退職金があると記載があるにも関わらず支給されない場合は問題がありますので、自分を守る意味でも損しない為にも必ず目を通しておきましょう!
②退職願を提出する
退職願いは直属の上司に提出するのですが、会社によっては所定の書式が用意されている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
以下、退職願に必要な項目となります。
日付
退職願の提出日を明記します。
会社名と部署名
自分が所属していた会社名と部署名を明記します。
退職の意思表示
明確に退職する旨を表明します。
退職日
退職する予定の日付を明記します。
最終勤務日までの予定
最終勤務日までの予定を書くと良いでしょう。
署名と氏名
最後に、退職願を提出する本人の署名と氏名を書きます。
体調不良で退職する際の注意点
体調不良が原因で会社を辞めたいと思った場合、今すぐにでもと思う事もありますよね。
しかし、無断で会社を休んだりそのまま音信不通になるのは、以下のようなリスクがありますので絶対にやめましょう。
- 退職金制度のある会社では減額どころか支払われなくなる可能性
- 懲戒解雇となる可能性
特に懲戒解雇となった場合は、離職票や退職証明書に記載されてしまう為、仮にその前に内定が獲得できたとしても内定が取り消しになります。
また、もしあなたが会社の近くに住んでいた場合は、どこかで鉢合わせになるのでは?と不安に感じてしまいますし、余計に体調不良が悪化する事も考えられます。
ですから、あなたを苦しめた理不尽な会社だからといっても、きちんとした手続きを経て退職するようにしましょう!
体調不良で退職は甘えじゃなかった!私が再出発の為にした事まとめ
この記事では、私の実体験をもとに、体調不良が原因で退職する事についてお話してきました。
以下、この記事のまとめです。
- 体調不良で退職を考える事は、厚生労働省や民間企業のデータからも甘えではないと証明している。
- 体調不良で求職する事になったら「休むのも仕事のひとつと考える」
- 体調不良を引き起こす職場に問題があると考える
もし体調不良によってあなたの仕事の状況が好転しないときは、職を変えることも考慮に入れる価値がありますよね。
ただ、新しい職場を探すというのは、だれしもが少し心配になるもの。
そんな時、手探りで動くよりも、事前にしっかり情報を集めることが重要です。
情報を集めた結果、意外と現職に留まるのが賢明だと感じる事があるかもしれません。
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